芸術の秋・美術の本①
2004年 09月 30日

この本はなかなか曲者です。
まずタイトルに騙される。なんか若者向けのデートマニュアルじゃなかろうか、という雰囲気です。ちがうんだよね。
中をひらくと、巻末に「世界のおすすめ美術館アーカイヴ」とあるから、世界の美術館の紹介本じゃないかと思う。出版社の目論見はそれだったのだと思うが、おっとどっこい、作者はなかなかしたたかですぞ。
なんと50ページも費やしている序章こそこの本で作者が言いたかったことで、本文?は売らんがための付けたしみたいのもの。
厳しい状況にある日本の美術館の現状、世界の中での特殊性、そして危機感から来る作者の警鐘があきらか。美術を愛する方ならぜひ序章だけでも一読を願いたいものです。
「せめて日本の美術館に、訪れる人たちをドキドキさせたり、ワクワクさせる要素があって、美術館がしあわせそうな人たちの集う場所に生まれ変わることができるならば」(はじめにより)
(ふぅふぅc)
▲ by choakuta | 2004-09-30 21:36 | 本 | Comments(2)